2016年度生み育てる人の心と体に寄り添うための
子育て支援者「15のまなび」の第2回
(第1回は舞鶴で同じテーマで開催)
宇治にて
「子どもの発達と子育ての今」というテーマで
理学療法士中原規予さんにお話しいただきました。
理学療法士とはどういうことをしているのかなどのお話しの後、
赤ちゃんの運動の獲得や発達について語って頂いた中から
印象に残っていることをお伝えします。
発達と成長の違いって?
身長や体重の変化のような物質的な変化は成長
言葉や運動を覚えることは発達
社会的な諸関係の質量的変化・
変容を発達ととらえるので、
発達は生涯続くものといえる。
一つの動作を獲得するのに要する期間は
半年から1年近くの幅があって、個人差が大きい。
動作と言葉とかが、同じように進むわけではなく、
発達が早いからいいというものではない。
最近の赤ちゃんの傾向として、
筋肉が柔らかくて、おしりをあげなくても
自分の足がなめられる子もいる。
丸い姿勢になったさい、おしりが上がることで、
腹筋が使われるようになるのだとか。
うつぶせ姿勢の大切さ
うつぶせになることは、肺の発達にも重要で、
うつぶせはハイハイなどの移動につつながる動作
うつぶせをいやがる赤ちゃんには、
いきなり床の上だとハードルが高いので、
お母さんが斜めの姿勢か、寝転んだ姿勢の体の上に、
赤ちゃんをうつぶせにして、一緒に遊ぶといったところから
うつぶせ姿勢に慣れるようしてみるといいのでは。
お座りにしても、道具を使って座らせるやり方では
よりかかって座ってる状態で、
自分が動いて獲得した動作でないため、
バランスをとる能力がついてないこともある。
赤ちゃんはおしりの座骨で支えて、
おなか回りの筋肉でバランスをとって座れると、
安定した姿勢になり、指先をうなく使えたり、
立って歩いた時に転びにくい体につながるのだそう。
いろんな動きを一つ一つクリアしていくためには
今できている動作を中心に、
少し前の動作に戻して、遊びながら体を動かしていくことが
大切で、あせって先へ先へと進ませないほうがいいのだそう。
たとえば早めに立たせてしまうと、高い目線のほうに
興味がいってしまい、ハイハイや座った姿勢を
あまりしなくなるということがおきるから。
大事なことは、
赤ちゃんが自分から動きたくなるような環境作り
たとえば、常にテレビがつけっぱなし、
回りにおもちゃがたくさんある、
回りの大人がすぐにおもちゃをとってきたりしてしまう
となると、刺激がありすぎて、動く必要のない環境の中で
動きだけさせようとしても難しい。
おもちゃの棚に布をかけて見えなくして
探索行動を促すとかの工夫が必要。
座りっぱなし、長時間抱っこされてるとか
赤ちゃんの体を固定する時間が長いと、
自分から動くといった動きにつながりにくくなる。
抱っこひもでおでかけのさいには、
20分から30分で1回おろせるような
移動方法を考えてはどうか。
子育て中のママに、
素手の抱っこやおんぶを体験してもらう前には、
肩こっていたり、猫背の方も多いので、
肩回りを動かす肩こり体操ををしてからすると、
ママが赤ちゃんの動きに対して
反応しやすくなるとのことで、
参加者の方で肩こり体操をやったりしました。
実際に子育て支援の現場での、こういうケースの場合は
どうしたらいいの?という質問にも
いろいろ答えていただきました。